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台湾におけるリハビリテーション医学の興隆
第2次世界大戦後,台湾には非常に多くのポリオ患者がいたが,当時提供されていたリハビリテーション・ケアは不十分なものであった.医師のI-Nan Lien氏とDow-Chang Hsu氏がポリオ患者支援の分野での経験を有する特別医療スタッフを集めた.同時に,世界保健機関(World Health Organization;WHO)がアジアにおける医療の質,特にリハビリテーション医学分野の質を向上させる計画を立て,アジアの医師が米国において関連する研修を受けるための奨学金を提供した.I-Nan Lien氏はその奨学金で1967年から1968年までニューヨーク大学での研修コースに参加した.
National Taiwan University Hospital(国立台湾大学病院,以下,台大病院)リハビリーション科の創設は1962年に遡る.しかし,リハビリテーションの医療チームはこの分野の諸課題すべてに対応できるほど能力はなかった.1968年夏に帰国したLien氏は,医師のChi-Chow Huang氏の協力を得てリハビリテーション科の再編成を行い,医療チームを強化するために,理学療法士(PT),作業療法士(OT),言語聴覚士(ST),義肢装具士を集めた.この時期,Lien氏は医学生にリハビリテーション医学という専門分野を紹介しようと,台湾のほとんどすべての医学校においてリハビリテーション医学の講義を行った.また,リハビリテーションに関心をもつ医学部卒業生に対するレジデント研修プログラムを開設した.その後,台大病院のリハビリテーション科は急成長し,1970年代には近代的なリハビリテーションセンターとなった.Lien氏は,間違いなく台湾におけるリハビリテーション医学の創始者と見なされている.2012年には,台湾におけるリハビリテーション医学の発展に多大な貢献をしたとして,Ma Ying-Jeou(馬英久)総統から特別医学貢献賞を授与された(図1).現在,約900人のリハビリテーション科医,約3,000人のPT,約2,000人のOT,約400人のST,約200人の義肢装具士がリハビリテーション医療に従事している.台湾におけるリハビリテーション医療は三次医療システムに属している.すべての中核病院において質が高く国際水準のリハビリテーション医療が提供されている.
Summary:Physical medicine and rehabilitation in Taiwan is a fast growing field in recent years. Due to the rapid aging of our population, physical medicine and rehabilitation has become an important field of medicine here. With the combination of modern rehabilitation concepts of the Western world, and traditional Chinese medicine, more medical assistance and new treatment strategies can be offered to the patients. We are confident that the standard of rehabilitation medicine will improve here in Taiwan, and more treatment plans can be innovated in the future.
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