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はじめに
「リハビリテーション(rehabilitation)」とは,本来はラテン語で「re-(再び),habilis(人間にふさわしい)」の状態にするという意味である.単に手足の機能回復などの部分的意味にとどまるものではなく,人間全体としての「人間らしく生きる権利の回復」,「全人間的復権」を意味するものであると言われている.ヴァージニア・ヘンダーソン1)は『看護の基本となるもの』のなかで「看護とはその患者本人にとっての健康・本人にとっての病気からの快復・本人にとっての良き死に資するよう,その行動を助けること」としている.そしてかの有名なソクラテスは,「もっとも尊重せねばならぬのは,生きることに非ず,良く生きることなり」と唱えている.
「良く生きる」,「人間らしく生きる」ということを今の日本の保険制度や文化のなかでどの程度可能なのか,施設管理や制度上の縛りのなか,個々のニーズに十分に応えられないジレンマに悩む医療関係者も多いのではないだろうか.筆者はもっと何かできるはずという思いから,そして自分自身が「良く生きる」ためにできることがあるのではないかという思いから,『たとえ疾病や障害があってもその人らしく生きることを応援する』ということをコンセプトに,2009年4月,小田原に訪問看護ステーションを中心とした事業所Accommo. Care Service株式会社(以下,わが社)を開設し,訪問看護のほか,居宅介護支援事業所・療養通所介護・訪問介護の実施,保険制度外サービスとしての外出支援や宿泊先(旅館・ホテル・保養所)への訪問,1泊程度の宿泊(預かり)を実施してきた.そして今年,2013年には作業療法士(OT)・理学療法士(PT)・言語聴覚士(ST)・看護師・介護福祉士が揃った地域密着型の複合型サービス(小規模多機能型+訪問看護ステーション)と定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所を開設する予定である.わが社ならではの活動と視点を述べたい.
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