学会報告
第72回神奈川リハビリテーション研究会―2012年3月3日(土),於:神奈川県立保健福祉大学
隆島 研吾
1
,
関 勝
1
1神奈川県立保健福祉大学
pp.200-203
発行日 2013年2月10日
Published Date 2013/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110035
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1.着衣障害の臨床徴候―自験例を含めた文献的考察
国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科保健医療学専攻リハビリテーション学分野
山本 潤・他
着衣障害について症例検討は散見されるが,病態解明には至っていない.着衣障害の病態を研究するために,医学中央雑誌および神経心理関連雑誌(1982~2011年)から45例と自験例2例を加え,47例を対象に検討した.着衣障害の記述から「視認知エラー」「操作エラー」「手順エラー」の3つのエラータイプに分けた.「視認知エラー」は衣服の形態認知,衣服と身体の照合などの誤反応,「操作エラー」はボタンかけ・紐通しなどの誤操作,「手順エラー」は着衣順序の混乱などとした.さらに少数例からの検討ではあるが,脳損傷部位との関係から「視認知エラー」は頭頂-後頭葉領域の後方で,「操作エラー」は頭頂-後頭葉領域の前方で,「手順エラー」は頭頂-前頭葉を含む広範な領域と関連があると考えられた.以上より着衣障害は,脳損傷部位に応じた徴候を示し,複数の徴候からなる「症候群」としてとらえることを示唆したい.
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