学会報告
第55回神奈川リハビリテーション研究会―2003年10月4日(土),於:神奈川県立総合療育相談センター
小泉 亜紀
1
1神奈川県立総合療育相談センターリハビリテーション科
pp.185-187
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100552
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1.下肢関節モーメントからみた変形性膝関節症患者の歩行特性
神奈川県立保健福祉大学
石井慎一郎・岡本 連三・鶴見 隆正
長澤 弘・武田 秀和・菅原 憲一
内田 賢一・米津 亮
本研究の目的は,変形性膝関節症(以下,膝OA)患者の歩行の特徴であるlateral thrustのメカニズムを調べることである.膝OA患者4名を対象として,歩行中の関節角度と床反力,下肢関節モーメントを三次元的に分析し,健常者の歩行と比較を行った.〔結果〕膝OA患者の歩行中の膝関節外反モーメントは立脚初期に最大となり,立脚中期になっても減少しなかった.これは,立脚初期に脛骨の外側傾斜角度が増加し,膝関節中心位置が外側へ変位するため,前額面内において床反力ベクトルと膝関節中心点までの距離が大きくなることが原因であると考えられた.また,立脚中期において支持脚へ身体重心を十分に移動しきれないことも,膝関節外反モーメントを増加させる原因であると考えられた.これは股関節の内転モーメントの減少と,反対側股関節の外転モーメントの減少が原因として考えられた.
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