- 有料閲覧
- 文献概要
1.言語誘導によるアプローチで日常生活の介助量が軽減した1症例
神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部
米津 亮・岡本 連三・鶴見 隆正
長澤 弘・武田 秀和・菅原 憲一
石井慎一郎・内田 賢一
中学校入学時を境に立位・座位保持が困難になった年長脳性麻痺児1例に対し,日常生活の介助軽減のため理学療法(PT)を実施した.対象は13歳10か月の痙直型四肢麻痺児1名であった.週5回の理学療法(1回40分)を2か月間実施した.理学療法士の提供する運動の変換と動作指示の表現を変えることで,対象児の動作誘導が成功する経験をした.入園期間も短く,機能的変化の少ないとされる年齢・障害タイプの対象児のPTを通して,子供の状態に合わせた運動の提供とそれを理解させる言語誘導の重要性が示唆された.
2.GMFMを用いた脳性麻痺児の評価(第1報)―下肢手術後1年を経過した児を対象に
神奈川県立総合療育相談センター福祉医療部
中平 陽子・神保 美喜・平 昭三郎
井上 保・今井 真紀・荻野 直子
長沼 知子・廣島 晶子・小泉 亜紀
2002年10月~2003年1月にハムストリングス・アキレス腱延長術後,入院訓練を実施した脳性麻痺児(両麻痺6名,4~6歳で知的には概ね正常)に対して,術前,術後3か月,6か月,1年後の4回,GMFM(Gross Motor Function Measure)を用いて評価を行った.入院3か月間は5回/週,退院後は1回/週~2回/月で理学療法を実施した.〔まとめ〕1 6名とも近藤らの報告と同様の経過が確認された.6名の総合得点の平均(%)は術前90,術後3か月は88と低下があり,6か月後は95と術前を超えた回復があり,1年後も97と緩やかな上昇を示す児がほとんどだが,障害が軽度のため,得点として反映されない児がみられた.2 成長に伴う変化,手術の効果,訓練効果をみるためにも,今後,長期的評価の継続が必要と言える.3 他施設(横浜・川崎・遠隔地域等)と共通評価尺度(GMFM)を用いることが必要と思われた.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.