Japanese
English
短報
回復期病棟入院患者の頻尿に対するアミトリプチリンの有効性の検討
Study of effectiveness of amitriptyline for treatment of frequent urinationat in recovery ward.
中木村 繁
1
,
吉田 聖子
1
,
藤原 郁子
1
,
田辺 義信
1
,
吉川 裕美子
1
,
小野 玄
1
,
中山 信
1
Shigeru Nakakimura
1
,
Seiko Yoshida
1
,
Ikuko Fujiwara
1
,
Yoshinobu Tanabe
1
,
Yumiko Yoshikawa
1
,
Gen Ono
1
,
Shin Nakayama
1
1医療法人中山会新札幌パウロ病院
1Depertment of Recovery Rehabilitation, Iryou-hojin Nakayamakai Sin-Sapporo Pauro Hospital
キーワード:
回復期
,
アミトリプチリン
,
頻尿
,
神経因性膀胱
,
過活動性膀胱
Keyword:
回復期
,
アミトリプチリン
,
頻尿
,
神経因性膀胱
,
過活動性膀胱
pp.187-190
発行日 2013年2月10日
Published Date 2013/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110028
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要旨:回復期病棟では,転院時に頻尿を呈する症例を多く認める.頻尿による不眠や精神的ストレスは,ADLが低下した患者にとっては大きな負担となり,リハビリテーション阻害因子となり得る.また,頻回のトイレ介助が,介助者の大きな負担となる.今回,頻尿を呈する患者に対してアミトリプチリンを内服前後のトイレ回数,入院時および退院時のFIM合計点,排泄に関するFIMの得点の変化を検討した.アミトリプチリン内服前後で排尿回数(中央値(四分位範囲)[範囲])が10.0(8.4,13.2)[7.5~15.7]から8.0(7.1,9.1)[5.6~13.6](p<0.05)と減少し,FIMの合計点は入院時55.5(50.3,67.5)[49~71.0]から退院時81.5(66.3,90.0)[60.0~90.0](p<0.05)に改善した.排泄に関するFIMの得点は,トイレ動作が4.0(3.3,4.0)[1.0~5.0]から5.0(5.0,5.0)[1.0~6.0]に,尿管理が3.5(1.5,4.8)[1.0~6.0]から5.0(4.3,5.0)[2.0~7.0]に,便管理が4.5(3.3,5.0)[1.0~6.0]から5.0(5.0,5.0)[2.0~7.0]と有意な改善を認めなかった.アミトリプチリンは向精神薬であるため,その副作用を考慮する必要があるが,回復期病棟患者の頻尿に対する治療法の一つとして検討してもよいと考える.
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