Japanese
English
短報
脳卒中患者の短下肢装具の適応決定―歩行分析による検討
Indication of Ankle Foot Orthosis of the Postapoplectic Patients: Gait Analysis Study.
窪田 俊夫
1
,
山本 澄子
2
,
山口 恒弘
1
,
奈良 武彦
1
,
中安 祐吉
1
,
紅野 利幸
1
,
堀本 ゆかり
1
Toshio Kubota
1
,
Sumiko Yamamoto
2
,
Tsunehiro Yamaguchi
1
,
Takehiko Nara
1
,
Yukichi Nakayasu
1
,
Toshiyuki Kono
1
,
Yukari Horimoto
1
1中伊豆リハビリテーションセンター
2東京都福祉機器総合センター
1Nakaizu Rehabilitation Center
2Tokyo Metropolitan Technical Aid Center
キーワード:
脳卒中
,
短下肢装具
,
適応決定
,
関節モーメント
Keyword:
脳卒中
,
短下肢装具
,
適応決定
,
関節モーメント
pp.683-687
発行日 1998年7月10日
Published Date 1998/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108709
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
窪田ら1)は,脳卒中患者のシューホン型短下肢装具(以下,AFOと略)の適応決定に関与すると考えられるいくつかの患者情報をパラメータとする判別分析を行い,足関節運動機能障害,立脚期足関節パターン,遊脚期足関節パターンが適応決定に有効なパラメータであること,およびこれらのパラメータによる判定の誤判別が10%程度存在することを述べた.そして,足関節運動機能障害と立脚期足関節パターンによってAFO適応決定マトリックス(後述)を構成した場合,誤判別が生じにくいマトリックスと生じ易いマトリックスがあることを指摘した.これら誤判別が生じ易いケースは,臨床的にはボーダラインケースに相当すると考えられるため,より判別度の高い適応決定を進めていくためには,さらに何らかの患者情報が必要となる.この患者情報を得る1つの方法として,歩行に対して何らかの負荷を与えて,その影響を歩行分析の手法を用いて計測することが考えられる.
窪田2)は,自由歩行に対して負荷歩行という概念を提唱し,負荷の種類として,歩行路の段差,障害物などの環境負荷,身体に対するおもり,持ち物などの物理的負荷,時間規制,課題規制などの心理的負荷,閉眼,疲労などの生理的負荷,歩行時身体諸関節の動き方に規制を行う歩容負荷などを挙げている.
本研究では,従来行われている下肢の運動機能や歩行パターンの視察などの臨床的評価に加え,上に述べた負荷歩行によって得られる歩行分析の情報がAFOの適応決定にどのような有用性があるかについて検討を行った.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.