Japanese
English
特集 障害者と腰痛
各種疾患と腰痛―ポリオ
Polio-survivors and lumbago.
有留 敬之輔
1
,
佐伯 覚
1
,
蜂須賀 研二
1
Keinosuke Aridome
1
,
Satoru Saeki
1
,
Kenji Hachisuka
1
1産業医科大学リハビリテーション医学講座
1Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
ポリオ
,
ポリオ後症候群
,
腰痛
Keyword:
ポリオ
,
ポリオ後症候群
,
腰痛
pp.901-903
発行日 2002年10月10日
Published Date 2002/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109870
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はじめに
ポリオはポリオウイルス(1型,2型,3型)による急性感染症であり,糞便や唾液などから経口感染しても多くは不顕性あるいは不全型である.非麻痺型(髄膜炎)や麻痺型は稀ではあるが,脊髄前角細胞を冒し,その神経支配領域に弛緩性麻痺をきたす.日本では1950年代後半から1960年にかけてポリオの大流行があったが,経口生ワクチン(Sabin Vaccine)の開発・導入により,1960年代後半から新たな発症はほとんど見られなくなった.そのため,初回感染のポリオは小児の専門医ですらほとんど診る機会がないのが現状である.
しかし,初回の感染から数十年の経過を経て疲労や筋肉痛・関節痛などの多彩な症状が出現することが知られるようになり,これらはポリオ後症候群として注目を集め,わが国でも各地で実態調査が施行されるようになった.ポリオ後症候群の診断基準としてはHalstead1)の診断基準(表)がよく用いられており,臨床の現場でも,④の項目にある症状を訴える者が多い.
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