Japanese
English
調査
ポリオ罹患者の腰痛が日常生活に及ぼす影響
The impact of low back pain on activities of daily living for polio survivors
村上 武史
1
,
蜂須賀 明子
2
,
森 里美
1
,
中津留 正剛
1
,
松嶋 康之
2
,
佐伯 覚
2
Takeshi Murakami
1
,
Akiko Hachisuka
2
,
Satomi Mori
1
,
Masataka Nakatsuru
1
,
Yasuyuki Matsushima
2
,
Satoru Saeki
2
1産業医科大学病院リハビリテーション部
2産業医科大学リハビリテーション医学講座
1Department of Rehabilitation, Hospital of the University of Occupational and Environmental Health
2Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
腰痛
,
ポリオ
,
検診
Keyword:
腰痛
,
ポリオ
,
検診
pp.773-778
発行日 2023年7月10日
Published Date 2023/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202880
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要旨 [背景]当院では,ポリオ罹患者を対象とし,1年に1回検診を実施している.今回ポリオ罹患者を対象に自記式質問紙を用いて,腰痛が日常生活活動(activities of daily living:ADL),生活の質(quality of life:QOL),心理社会的因子に与える影響について検討した.[対象・方法]2020年郵送形式の検診に参加したポリオ罹患者55名(男性22名,女性33名,平均年齢67.9±5.3歳)を対象とし解析した.評価項目は,患者特性,腰痛,ADLおよびQOL,心理社会的因子,自己効力感,活動量とした.[結果]腰痛の有訴率は45.5%であった.腰痛群は,非腰痛群と比較して,ADL,QOL,自己効力感は有意に低下し,心理社会的因子の1つである破局的思考は有意に増大していた.また腰痛の程度は,年齢,ADL,QOL,自己効力感,破局的思考および活動量と関連していた.[結語]ポリオ罹患者の腰痛は,移動の自己効力感や活動量を低下させ,ADLおよびQOLを低下させる悪循環を引き起こす可能性が示唆された.
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