巻頭言
障害者の雇用と職場適応
佐伯 覚
1
1産業医科大学リハビリテーション医学講座
pp.593
発行日 2002年7月10日
Published Date 2002/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109800
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昨今の高い失業率は,必然的に障害者の雇用状況を厳しくしている.公共職業安定所に求職する障害者数は大幅に増加する一方,障害者の解雇届者数は前年度を上回っている.厳しい雇用情勢は,健常者のリストラにとどまらず,高齢者や障害者などの社会的弱者の切り捨てにも繋がっている.「障害者の雇用の促進等に関する法律」により,各企業は一定の率以上の障害者を雇用することが義務付けられているが,この経済不況から各企業の体力も消耗し,障害者を雇用し続けることが困難となっている.ある企業の人員整理の結果,障害者雇用者数は減少しているのに,全従業員数がより減少したために,かえって,障害者の雇用率が上昇したという奇妙な現象もみられている.
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