Japanese
English
短報
在宅の脳卒中片麻痺者における身体活動量と運動時酸素摂取応答に関する検討
Pedometric measurement of daily physical activity and oxygen uptake kinetics on exercise endurance with post-stroke hemiplegia.
加藤 順一
1
,
池田 洋美
2
,
中戸 順子
2
,
細川 晃代
2
,
永田 安雄
2
,
早川 みち子
1
,
谷崎 俊郎
1
,
石原 健造
1
Junichi Katoh
1
,
Hiromi Ikeda
2
,
Junko Nakato
2
,
Akiyo Hosokawa
2
,
Yasuo Nagata
2
,
Michiko Hayakawa
1
,
Toshirou Tanizaki
1
,
Kenzou Ishihara
1
1兵庫県立総合リハビリテーションセンターリハビリテーション中央病院内科
2兵庫県立総合リハビリテーションセンター臨床検査部
1Internal Medicine, Hyogo Rehabilitation Center Hospital
2Clinical Laboratory, Hyogo Rehabilitation Center Hospital
キーワード:
脳卒中片麻痺者
,
身体活動量
,
酸素摂取応答
,
運動耐容能
Keyword:
脳卒中片麻痺者
,
身体活動量
,
酸素摂取応答
,
運動耐容能
pp.457-460
発行日 2002年5月10日
Published Date 2002/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109765
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はじめに
自宅復帰後の脳卒中片麻痺者では,運動麻痺による日常の身体活動量の低下が体力低下の一因とされ,獲得した運動機能を維持・増進するうえで日常の身体活動が重要であることは言うまでもない1).
脳卒中片麻痺者における身体活動量の評価には,歩数計を用いたり,24時間心拍数よりエネルギー消費を推測する報告が散見される2-3).
一方,全身持久力の評価法の一つに,循環・呼吸器系のフィットネスの指標として,漸増性運動負荷試験による最大酸素摂取量(Vo2max)が用いられる4).Vo2maxは,有酸素的作業を行うためのエネルギー源となる酸素を外界から骨格筋へ運搬する酸素運搬系の最大能力を示す.また,定常運動負荷において運動開始から酸素摂取量(Vo2)が一定に達するまでの応答曲線から時定数(τon;運動開始時のVo2の1次指数として計算される)と酸素欠損(O2 deficit)が求められる5).O2 deficitは運動開始から定常状態に達するまでの運動エネルギー不足を表し,嫌気性代謝により補われ,中枢機能(心機能)と末梢機能(動脈での酸素運搬と骨格筋での酸素摂取)により規定される.
長期間の臥床安静や心疾患患者では,運動負荷時のτonとO2 deficitの増大,すなわちVo2応答の遅延と運動耐容能の低下が指摘されている6).
そこで本研究では,在宅における歩行可能な慢性期脳卒中片麻痺者を対象に,歩数および運動エネルギー消費量の記録可能なカロリーカウンターにより日常の歩行による身体活動量を評価し,呼気ガス分析による運動負荷試験を行い,運動負荷時のVo2応答と運動耐容能について検討した.
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