学会報告
第61回関東リハビリテーション医学懇話会―1990年3月3日(土),於:横浜市総合リハビリテーションセンターホール
横山 巖
1
,
伊藤 良介
1
1七沢リハビリテーション病院脳血管センター
pp.249-251
発行日 1991年3月10日
Published Date 1991/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106757
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1.特別養護老人ホームにおける脳血管障害患者のADLの変化
七沢リハビリテーション病院脳血管センター
角谷 直彦・横山 巖
小山 浩永・内山 義和
東海大学医学部リハビリテーション科
本田 哲三・石田 暉・村上 恵一
特別養護老人ホームの脳卒中患者45人(男性21人,女性24人,平均年齢70.7歳)について日常生活動作の調査を行い,入所時と調査時の比較検討を行った.調査項目は性別,年齢分布,診断名,入所期間,ADL(Barthel Index),長谷川式簡易痴呆診査スケールについて調査した.ADLは入所時と調査的の変化により不変群23人(51.1%),改善群3人(6.7%),悪化群19人(42.2%)の3群に分類された.入所期間とADLでは不変群に短期のものが多く,悪化群は短期から長期まで平均的に分布していた.不変群の知的能力は正常と準正常を合わせて14人(60.9%),改善群では2人(66.7%)と高い能力を持っていた.しかし,悪化群では10人(52.6%)の痴呆者(準痴呆を含む)を認め,5%の危険率で有意であった.悪化群でのADLの変化は痴呆の関与するものが多いが,痴呆以外に内科的,外科的疾患による安静(42.1%)等が影響していた.
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