Japanese
English
特集 障害者の加齢に伴う問題とその支援
重症心身障害児者の加齢と施策
Measures to aging in patients with severe and intellectual disabilities
後藤 一也
1
,
西巻 靖和
2
,
中村 友亮
3
Kazuya Goto
1
,
Yasukazu Nishimaki
2
,
Yusuke Nakamura
3
1国立病院機構西別府病院小児科
2国立病院機構東長野病院療育指導室
3国立精神・神経医療研究センター病院療育指導室
1Division of Pediatrics, National Hospital Organization, Nishibeppu National Hospital
2National Hospital Organization, Higashi-Nagano Hospital
3National Center Hospital of Neurology and Psychiatry
キーワード:
重症心身障害児
,
重症心身障害児者
,
障害福祉サービス
,
障害者総合支援法
,
高齢化
Keyword:
重症心身障害児
,
重症心身障害児者
,
障害福祉サービス
,
障害者総合支援法
,
高齢化
pp.1145-1150
発行日 2020年12月10日
Published Date 2020/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202100
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はじめに
重症心身障害児(者)〔以下,重症児(者)〕は重度の知的障害と重度の肢体不自由が重複し,発達期に発症し,医療的ケアが必要な児(者)を指すが,医学的診断名でなく,児童福祉法にかかわる施設入所基準として定められた.重症児(者)は知的障害と肢体不自由を基盤にしながら,呼吸障害や消化器疾患などさまざまな合併症を有することも多い.
近年,人工呼吸管理などに代表される医療の進歩により重症児(者)の生命予後は改善し,在宅で療養生活を送る重症児(者)も増加している.全国の重症児(者)数は約47,000人,そのうち3割が入所し,7割が在宅で生活していると推計されている1).重症心身障害施設が開設され約55年が経過したが,この間,児童福祉法の改正や,措置制度から支援費制度への転換などを経て,入所とともに在宅における障害福祉サービスの充実が図られてきた.一方で,重症児(者)の加齢が進み,医療,福祉面を問わずさまざまな課題も生じている.ここでは,重症児(者)にかかわる障害福祉サービスを紹介するとともに,加齢に伴う医療面や障害福祉サービスの課題や対応について解説する.
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