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実践講座 精神発達障害のリハビリテーション
4.「一番になりたい!」:高機能自閉症において社会性の発達に伴って生じる新たな固執症状への早期対応
“I want to be number one”: Early intervention programs for the‘insistence on sameness’associated with the development of social interaction in children with high-functioning autism.
清水 康夫
1
,
中村 泉
1
,
日戸 由刈
1
Yasuo Shimizu
1
,
Izumi Nakamura
1
,
Yukari Nitto
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター児童精神科
1Division of Child Psychiatry, Yokohama Rehabilitation Center
キーワード:
高機能自閉症
,
社会性の発達
,
固執
,
早期療育
Keyword:
高機能自閉症
,
社会性の発達
,
固執
,
早期療育
pp.339-345
発行日 2001年4月10日
Published Date 2001/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109465
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はじめに
自閉症の早期発見と早期診断が乳幼児健診を中心に展開されつつある昨今,自閉症のなかでも知的・言語的発達が良好なために幼児期においては従来見逃されやすかった例も早期発見されつつある.このような自閉症の一群に対して就学前からの治療的アプローチが始められている1).本稿ではいわば「知的な遅れのない発達障害」の代表のひとつである高機能自閉症について,その固執症状への早期対応を述べることにする.
固執症状として選んだものは,ゲームや競争などの社会的ルールの獲得に関して「一番になる」や「勝つ」ことへの強迫的なこだわりである.この種の固執症状は,社会的行動に関する認知機能が一定の水準に達しないかぎり出現しないものであり,発達が比較的良好な自閉症で学童期に出現することが多い.しかし,高機能例においてはしばしば幼児期からその萌芽がみられ,したがって,その早期対応の技法開発と療育実践が求められる.
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