特集 思春期女子への診療―ティーンズとどう向き合いますか
ティーンズ女子への介入
発達障害・アスペルガー症候群を疑ったら
広沢 正孝
1
1順天堂大学スポーツ健康科学部
キーワード:
アスペルガー症候群
,
高機能広汎性発達障害
,
高機能自閉症
,
身体感覚
Keyword:
アスペルガー症候群
,
高機能広汎性発達障害
,
高機能自閉症
,
身体感覚
pp.823-825
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102314
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Case
中学で不適応を起こした1例
患者:14歳,女性.
家族歴:とくになし.
現病歴:頑固な頭痛と胃部不快感で受診.前医(小児科)で鎮痛薬や制吐薬を処方されたが,前医には「患者のこころが読めず」,また患者はわずかな薬物の作用に敏感で(本人は副作用と述べている),薬の変更をとめどなく要求するため,精神的な障害を疑われて精神科を受診.面接場面で母親は本人を評して「怠け病ではないか」,「家で家族に合わせることができず,自分の予定と異なると荒れ狂う」,「好きなビデオにこだわり他に目が行かない」,「ちゃんとできない」と述べ,また担任教師からも「友達の気持ちが読めない」,「ルールを守れない」,「これでは将来,大人になれない」と言われたと報告した.これに対し本人は,「ちゃんとしろと言われても,どういうことかわからない」,「自分の個性が強すぎる」,「とにかく頭痛や吐き気がひどくイライラがなおらない」と語った.心理検査などからアスペルガー症候群が疑われ,以後家族と学校にその対応方法を示した.
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