Japanese
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講座 発達障害・1【新連載】
早期発見・早期介入
Early detection and early intervention for children with developmental disorders.
小澤 武司
1
Takeshi Ozawa
1
1東戸塚こども発達クリニック
1Higashitotsuka Child Developmental Clinic
キーワード:
発達障害
,
早期療育
,
早期介入
,
早期発見
,
アスペルガー症候群
Keyword:
発達障害
,
早期療育
,
早期介入
,
早期発見
,
アスペルガー症候群
pp.827-832
発行日 2009年9月10日
Published Date 2009/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101591
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はじめに
最近では,自閉症をはじめとする発達障害が幼児期に早期診断されることが多くなった.発達の障害とは元来,医学的には発達の途上に生じた,発達の過程の異常で,多くは出生前から乳児期早期の神経学的な障害に起因する障害であり,いわゆる運動機能と精神機能の発達障害を総括するものであった.
発達障害という用語は,米国におけるジョン・F・ケネディ大統領の知的障害のある方たちへの包括的な政策により成立した法律(PL88-164,1963年)に行政上初めて登場した.その後の改正により脳性麻痺やてんかん,自閉症,書字障害(dyslexia)と障害の概念は拡大されていった.しかし,わが国では長い間,身体障害として運動機能の障害,知的障害として精神遅滞のみが福祉の対象とされてきたため,自閉症や学習障害は行政的には障害として認識されていなかった.2005年に初めて,行政用語として発達障害者支援法1)のなかで,「自閉症,アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害,学習障害,注意欠陥多動性障害,その他これに類する脳機能の障害であって,その症状が通常低年齢において発現するもの」と定義づけられた.知的障害を伴うか伴わないか,障害程度の重症度,不適応状態の程度など,その状態や程度はさまざまであり,併存障害も少なくない.
これまでは医療の枠のなかか,知的障害の枠のなかで早期発見,早期介入がなされていたが,今後は「発達障害」と冠した早期発見,早期介入が行われるようになると思われる.
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