Japanese
English
特集 脳外傷のリハビリテーション
予後予測の手段
Predicting Outcome in Patients with Traumatic Brain Injury.
道免 和久
1
Kazuhisa Domen
1
1東京都リハビリテーション病院リハビリテーション科
1Tokyo Metropolitan Rehabilitation Hospital
キーワード:
脳外傷
,
予後予測
,
データベース
Keyword:
脳外傷
,
予後予測
,
データベース
pp.129-139
発行日 2000年2月10日
Published Date 2000/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109159
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はじめに
脳外傷のリハビリテーションについて,わが国の後進性が指摘1)されてから久しい.大橋の問題提起の後,わが国でも取り上げられる機会2-5)が増加してきた.特に,脳外傷後の認知障害に対するいわゆる認知リハビリテーションについては,いまだに保険診療の対象外であることや福祉制度からも見放されていることから,マスコミ等でも盛んに取り上げられるようになった.一方,認知障害も含めて多彩な障害像を呈する脳外傷6,7)のリハビリテーション全般について,十分な研究体制が整ったとは言い難い.リハビリテーション治療後の予後予測の研究も不足しているために,脳卒中の「常識」をそのまま脳外傷にあてはめてしまうような誤りに陥ってしまうことがある.いうまでもなく,脳外傷と脳卒中は,異なる病態,障害像や経過を示す8)全く別の疾患である.したがって,脳外傷には専用の評価方法,予後予測法,そして治療法を確立する必要がある.
本総説では,脳外傷の予後予測についての研究を概説した後,今後の予後研究に重要な脳外傷用のデータベースのあり方等について考察する.
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