Japanese
English
症例報告
広範な植皮を伴う下腿切断の1例―新しいシリコンライナーの効果
A Case of a Below Knee Amputation with the Large Skin Graft: Effectiveness of a New Silicone Liner.
松宮 巧
1
,
根本 明宜
1
,
菊地 尚久
1
,
延藤 実穂
1
,
畠中 泰司
1
,
北川 新二
2
,
安藤 徳彦
1
Takumi Matsumiya
1
,
Akinobu Nemoto
1
,
Naohisa Kikuchi
1
,
Miho Nobutou
1
,
Yasushi Hatakenaka
1
,
Shinji Kitagawa
2
,
Norihiko Andou
1
1横浜市立大学医学部附属病院リハビリテーション科
2木村義肢工作研究所
1Department of Rehabilitation Medicine, Yokohama City University Hospital
2Kimura Prosthetic Manufacturing CO, LT.
キーワード:
下肢切断
,
植皮
,
シリコンライナー
Keyword:
下肢切断
,
植皮
,
シリコンライナー
pp.1159-1162
発行日 1999年12月10日
Published Date 1999/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109124
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はじめに
外傷による下肢切断では断端部の皮膚に広範な欠損・壊死を伴うものも多い.一般に皮膚欠損部に対して植皮術が行われるが,切断端に対する植皮皮膚は荷重時にソケットから受ける圧力,特に剪断力に対して弱い.その結果,容易に傷を作り,できた傷は治りにくい.
これまでわれわれは植皮断端は荷重に適さないと考えており1),短い断端となっても植皮を伴わない中枢側での切断を選択し,一般的な義足を処方し,低いコスト,短い訓練期間で社会復帰させるべきと考えてきた.しかし,植皮術の進歩により,植皮を行い断端を長く残してリハビリテーション科に送られてくるケースが増えている.一方,義足のパーツも進歩しており,脆弱な断端皮膚に対応できるようになっている.
今回,われわれは断端を長く保つために植皮を施された症例に対し,シリコン製内ソケットを採用し,部品の組み合わせも考慮した義足を処方した.その結果,植皮皮膚に傷を作ることなく実用的義足歩行能力を獲得できたので報告する.
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