Japanese
English
症例報告
熱傷瘢痕に生じ植皮片上に拡大した悪性黒色腫の1例
A case of malignant melanoma arising on the burn scar spreading to the skin graft
山口 美由紀
1
,
岡本 崇
1
,
鈴木 収二
1
,
原田 和俊
1
,
川村 龍吉
1
,
柴垣 直孝
1
,
島田 眞路
1
Miyuki YAMAGUCHI
1
,
Takashi OKAMOTO
1
,
Shuji SUZUKI
1
,
Kazutoshi HARADA
1
,
Tatsuyoshi KAWAMURA
1
,
Naotaka SHIBAGAKI
1
,
Shinji SHIMADA
1
1山梨大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,University of Yamanashi,Chuo,Japan
キーワード:
熱傷瘢痕
,
悪性黒色腫
,
瘢痕癌
,
植皮
Keyword:
熱傷瘢痕
,
悪性黒色腫
,
瘢痕癌
,
植皮
pp.305-308
発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102249
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 65歳,男性.幼少時,右前腕に熱傷を受傷した.約15年前から瘢痕に潰瘍が出現し,他院にて有棘細胞癌(瘢痕癌)と診断され,切除・植皮が施行された.5年ほど前から,植皮部辺縁に黒色斑が出現し,植皮片へ拡大してきたため,当院を紹介され受診した.右前腕の植皮片の辺縁に,2×3cmの楕円形の境界不明瞭・不均一な黒色斑を認めた.悪性黒色腫を考え,黒色斑を切除したところ,病理組織学的に異型性のある腫瘍細胞が表皮内で増殖しており,malignant melanoma in situと診断した.熱傷瘢痕より悪性黒色腫が生じることは稀であり,さらに本症例では有棘細胞癌も合併していた.両者の発生には,共通した複数の遺伝子変異が関与している可能性が考えられた.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.