Japanese
English
症例報告
頭部の植皮片に14年後に生じた表在型基底細胞癌の1例
A case of superficial basal cell carcinoma in the graft appeared 14 years after complete excision for basal cell carcinoma of the scalp
齋藤 京
1
,
清水 智子
2
Hitoshi SAITO
1
,
Tomoko SHIMIZU
2
1さいたま市立病院皮膚科
2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Saitama Municipal Hospital, Saitama, Japan
2Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
基底細胞癌
,
植皮
,
紫外線
,
遺伝子障害
,
腫瘍増殖様式
Keyword:
基底細胞癌
,
植皮
,
紫外線
,
遺伝子障害
,
腫瘍増殖様式
pp.326-329
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101929
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要約 83歳,女性.1991年(69歳時)に頭頂部の充実型基底細胞癌(以下,BCC)を摘出し,鼠径部からの植皮にて再建した.2005年当科受診時,植皮部内の色素斑を認め,その後徐々に拡大した.摘出術を施行し,病理学的に表在型BCCを確認した.1991年の摘出術は十分な広さで,今回が再発である可能性は低く,植皮部内に新たにBCCが発生したと考えた.自験例には,①非露光部である鼠径部の皮膚を露光部である頭頂部に植皮したところ14年を経てBCCが発症し,②毛包のある頭皮に充実型が発症し,同じ場所で毛包のない植皮片に表在型が発症したという2つの着目点があり,BCC発症における紫外線の遺伝子障害作用の関与や増殖様式の特異性に関しても貴重な症例と考えた.
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