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入門講座 ADL訓練の実際・6
脳性麻痺の起居・移乗動作訓練
Practice of ADL Training. 6: Bed and Transfer Activities in Cerebral Palsy Patients
北野 嘉孝
1
Yoshitaka KITANO
1
1高知県立子鹿園訓練班
1Division of Training, Kochi Prefectural Kojika-en.
pp.839-846
発行日 1991年12月15日
Published Date 1991/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103409
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Ⅰ.初めに
脳性麻痺児の治療,ことに早期治療の段階では,異常運動発達を抑制しつつ,より正常な感覚―運動学習を通じて,正常な姿勢や運動発達を獲得させてゆく治療を行なう1).脳性麻痺児にとっての起居・移乗動作の自立が問題となってくるのは,幼児期以降である.このころより杖,装具,車いすなどを用いての移動・移乗動作に加えて,基本的な日常生活動作の訓練が加わる.
今日,小児の施設では入所児の重度化とともに,自ら移乗動作の困難な児が,電動車いすの使用により本人の意志で移動可能となった.そのことによって,日常生活の一要素として移乗動作の獲得が本人の自立,および介護する側にとって,非常に重要な因子となってきている2).脳性麻痺児の移乗動作訓練はこの場合,異常姿勢,異常動作を利用しての行動と,いかに異常発達を抑制し実用的な機能を獲得させるかの矛盾を含む課題をもつと言える.
本稿では最初に当園重度棟での実際を述べ,次に起居・移乗動作訓練について述べる.
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