Japanese
English
特集 脳卒中の歩行障害
自立歩行を阻害する要因は何か
Walking Disturbance of Patient with Cerebrovascular Disorder: Factors Inhibiting Independent Gait.
近藤 和泉
1
,
橋本 賀乃子
1
,
相馬 正始
2
Izumi Kondo
1
,
Kanoko Hashimoto
1
,
Masashi Soma
2
1弘前大学医学部付属脳神経血管病態研究施設機能回復部門
2弘前大学医学部付属病院理学療法部
1Department of Rehabilitation Medicine, Institute of Brain Science, School of Medicine, Hirosaki University
2Rehabilitation Center, Hirosaki University Hospital
キーワード:
脳血管障害
,
予後
,
Pusher症候群
,
体力
Keyword:
脳血管障害
,
予後
,
Pusher症候群
,
体力
pp.1117-1121
発行日 1999年12月10日
Published Date 1999/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109117
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はじめに
脳卒中患者の移動能力の予後を扱った研究が数多くある1-5).移動能力の予後を知るということと,歩行能力獲得を阻害する要因を抽出することは,表裏の関係にある.移動能力の回復過程は段階的であり,おおまかには全介助,屋内介助・監視歩行,屋内歩行自立,屋外歩行自立の順で進んでいくと考えて良い.患者毎に,歩行の予後,すなわち移動能力という連続体のなかでの最終到達段階はさまざまなものとなる.移動能力の到達段階に影響を与える要因としては,1)もともと患者が持っていた背景因子,2)障害の重症度,3)回復過程で付随して起こってくる問題,4)訓練の方法を含めた医学的管理の進め方などがあげられると思う.
表にこれらの要因の相互関係を整理してみた.以下では,背景因子,障害の重症度,回復過程で起こっている問題を中心に文献的な検討を行い,簡単な見直しを行っていきたい.
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