Japanese
English
講座 言語聴覚障害学―理論と臨床―
2.失語症の認知神経心理学的リハビリテーション
Cognitive Neuropsychological Rehabilitation of Aphasia.
藤田 郁代
1
Ikuyo Fujita
1
1国際医療福祉大学言語聴覚障害学科
1Department of Speech-Language and Audiology, International University of Health and Welfare
キーワード:
失語症
,
言語治療
,
語彙障害
,
認知神経心理学
Keyword:
失語症
,
言語治療
,
語彙障害
,
認知神経心理学
pp.747-753
発行日 1999年8月10日
Published Date 1999/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109033
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はじめに
失語症は,脳の言語領域の病変による言語符号を操作する機能の障害であり,その障害は言語をコミュニケーションの主要な手段とする人間の生活に多大な影響を及ぼす.失語症の障害の側面をWHOの国際障害分類案(1980)によって整理してみると,①言語符号を操作する機能の障害(impairment),②生活の中で言語を用いて実用的にコミュニケーションを行う能力の低下(disability),③失語症を持つために遭遇する社会的な不利益(handicap)に分けることができる.
失語症の言語治療では,このような障害の全ての側面に働きかけて,全人間的な支援を行うことになるが,認知神経心理学的リハビリテーションはこのうちimpairmentに対する新しい治療法の一つである.
今回は,失語症の語彙障害に対する治療法を中心に,その概要を述べることにしたい.
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