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実践講座 最新の神経心理学的検査
4.視知覚検査―標準高次視知覚検査
Neuropsychological Examination of Visual Perception: Visual Perception Test for Agnosia; VPTA.
徳永 博正
1
,
池尻 義隆
1
,
武田 雅俊
1
Hiromasa Tokunaga
1
,
Yoshitaka Ikejiri
1
,
Masatoshi Takeda
1
1大阪大学大学院医学系研究科生体統合医学神経機能医学講座・精神医学
1Department of Clinical Neuroscience, Psychiatry, Osaka University Graduate School of Medicine
キーワード:
視知覚
,
視覚失認
,
視空間失認
,
標準高次視知覚検査
Keyword:
視知覚
,
視覚失認
,
視空間失認
,
標準高次視知覚検査
pp.755-761
発行日 1999年8月10日
Published Date 1999/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109034
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はじめに
標準高次視知覚検査(Visual Perception Test for Agnosia;VPTA)は,約9年間の作業を経て1997年に日本失語症学会により公表・出版された視覚失認と視空間失認に関する包括的で標準化された検査法である.従来,視覚認知障害に対しては,検査者それぞれが目的に応じて種々の検査をすることがほとんどであった.したがって,同じ症候をみる検査でも,検査のマテリアルや教示,評価の方法が一定でなかったり,検査項目が不十分であったりして,個々の症例の諸症状を客観的に比較することは容易ではなかった.このたびVPTAが出版されたことで,多くの臨床家がさまざまな症例の高次視知覚障害の諸症状を共通の立場から論ずることが可能になったことは,臨床実践・研究のいずれの点でも大変意義深い.
VPTAの作成の概要や使用方法については,付属のマニュアルに詳細に書かれているので,本稿ではその概略を示し,さらに実際に本検査を実施した自験例を呈示して,その有用性を指摘したい.
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