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講座 日本の社会福祉
2.社会福祉の現状と課題―地域福祉の視点から
The Presence and New Direction of Social Welfare-From the Points of View of the Community Social Work.
鷹野 吉章
1
,
大橋 謙策
2
Yoshiaki Takano
1
,
Kensaku Ohashi
2
1日本地域福祉研究所
2日本社会事業大学
1Japan Institute of Community Work
2Japan Social Work College
キーワード:
地域自立生活支援
,
コミュニティ・ソーシャルワーク
,
地域福祉
,
ケアマネジメント
Keyword:
地域自立生活支援
,
コミュニティ・ソーシャルワーク
,
地域福祉
,
ケアマネジメント
pp.135-139
発行日 1999年2月10日
Published Date 1999/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108900
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はじめに
日本の社会は現在,さまざまな分野において,昭和20年代に作られたパラダイム(理念・枠組み)が構造的疲労を起こし,国際化,少子・高齢化,情報化の流れのなかで,21世紀に向けての構造的改革と新しい社会システムづくりが求められている.
その一環として,少子・高齢社会に対応した社会保障・社会福祉の構造的改革が進められている.第1は1995年の社会保障制度審議会勧告に見られる,年金,医療,社会福祉の国民負担割合を見直し,医療費の軽減を図る改革である.第2には,年金制度の改革で,年金の受給額と社会保険料の負担をめぐる改革である.第3の改革は,1951年に制定された社会福祉事業法を改正する社会福祉の基礎構造改革である.社会福祉行政の骨格である措置制度や社会福祉法人の見直しを含めて検討が進められている.1998年6月,中央社会福祉審議会社会福祉構造改革分科会は「社会福祉基礎構造改革について(中間まとめ)」という報告(以下,「構造改革中間まとめ」と略)を発表している.
これらの一連の改革における検討課題は,社会福祉領域に関して言えば,1990年の社会福祉関係8法改正(以下,「8法改正」と略)の延長上でとらえられる.したがって,今日の社会福祉の現状および課題を検討するにあたり,90年の8法改正の考え方を踏まえつつ,社会福祉援助の第一線の現場で実践を行う専門援助者のあり方を基本的視座として,社会福祉の現状と主要課題を指摘する.
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