Japanese
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実践講座 リハビリテーションにおける画像診断
2.SPECT/PETによる機能予後予測
Prediction of Functional Prognosis in Brain-damaged Cases Using Quantitative SPECT and PET Measurements.
佐山 一郎
1
Ichiro Sayama
1
1秋田県立リハビリテーション・精神医療センターリハビリテーション科
1Rehabilitation Clinic, The Rehabilitation & Psychiatric Medicine Center, Akita
キーワード:
脳循環代謝測定
,
機能予後予測
,
脳卒中リハビリテーション
Keyword:
脳循環代謝測定
,
機能予後予測
,
脳卒中リハビリテーション
pp.141-149
発行日 1999年2月10日
Published Date 1999/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108901
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はじめに
リハビリテーションを行ううえで適切な機能予後予測を行うこと,その予測に基づく社会的帰結への合意形成を行うことは,リハビリテーション医の主要な役割である.
脳損傷後の機能障害で,その回復程度の予測やリハビリテーション自体を含む治療的介入を行った際の客観的効果判定については,脳卒中を中心にこれまで多数の研究と報告がある.しかし一般に,病前の機能的状態,発症時年齢や原因疾患の重症度など,対象となる個々の患者特性の違いは大きく,脳卒中に限ってみても,これを類型化して予後や治療効果を諭ずるには困難があるように思われる.そこで,これら多くの要因を反映した機能的状態を示す尺度が求められる.われわれはその手段の一つとして,これまで脳循環代謝測定の応用を試みてきた1-4).
本報告ではまず,その成績や臨床応用の一部を紹介したい.次いで,その背景となる知識として,臨床応用するうえで必要となる脳循環代謝測定法の特徴や,その際の留意点に触れる.また,結果を解釈し予後予測を行ううえで必要となる運動麻痺回復や失語・視空間無視など,高次機能障害とその回復機序について,これまでの脳循環代謝測定を通じて報告された事柄の簡単な整理をする.おわりに,リハビリテーションに役立つ機能画像診断法について,私見のまとめを試みたい.
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