Japanese
English
特集 歩行障害Update
モデル計算法の歩行障害解析への応用
Application of the Mathematical Model Methods for Gait-analysis.
大橋 正洋
1
,
江原 義弘
1
Masahiro Ohashi
1
,
Yoshihiro Ehara
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
1Kanagawa Rehabilitation Center
キーワード:
歩行分析
,
歩行障害
,
モデル計算法
,
関節モーメント
,
エネルギー消費
Keyword:
歩行分析
,
歩行障害
,
モデル計算法
,
関節モーメント
,
エネルギー消費
pp.1049-1053
発行日 1998年11月10日
Published Date 1998/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108799
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はじめに
歩行計測機器やコンピュータの進歩と普及の結果,歩行のさまざまなパラメータを計算して記録できるようになった.しかしパラメータが未処理の数値やグラフのままでは,これらを臨床的課題の解決に結びつけることは難しい.ところが最近の歩行計測機器には,計測データから関節モーメントなどを計算するプログラムが付属するようになった.これは数字の羅列であった歩行計測データを,臨床家が直感的に理解しやすい運動学的データに翻訳できるようになったことを意味する.この翻訳作業はコンピュータが自動的に行うが,その基礎にはエンジニアが人体にさまざまな仮説を置いて考案した力学的リンクモデルや,これらに基づく数学的モデルが用いられている.
数学的モデルを利用すると,下肢の重量や形態などを変化させて運動学的データがどう変化するかを観察できる.これをシミュレーションと呼ぶ.工学の分野では,現実の事柄を単純化したモデルを作り,それにさまざまなデータを入力してシミュレーションを行う方法が普及している1).しかし,医学の分野では,人体を単純化したモデルを作成することには問題が多く,工学の分野ほどモデル計算法やシミュレーションは行われていない.ところが商品化された運動解析プログラムがし普及するに伴い,シミュレーションなどを行える環境が整うと思われる.
そこで本稿では,数学的モデルを用いた運動解析法の一部を,例を挙げて紹介する.
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