Japanese
English
研究と報告
股離断者の残存肢各筋群の歩行エネルギー消費量―力学的モデル計算法による解析
Gait energy expenditure of a remaining leg of a case of hip-disarticulation, measured by a mathematical model calculation method.
大橋 正洋
1
,
江原 義弘
2
,
高橋 茂
3
,
別府 政敏
4
,
野村 進
4
,
国見 ゆみ子
4
Masahiro Ohashi
1
,
Yoshihiro Ehara
2
,
Shigeru Takahashi
3
,
Masatoshi Beppu
4
,
Susumu Nomura
4
,
Yumiko Kunimi
4
1神奈川リハビリテーション病院リハビリテーション医学科
2新潟医療福祉大学大学院医療福祉学研究科
3アクティブプロス
4神奈川リハビリテーション病院リハビリテーション工学科
1Rehabilitation Medicine, Kanagawa Rehabilitation Hospital
2Niigata University of Health and Welfare
3Active Pros
4Department of Rehabilitation Engineering, Kanagawa Rehabilitation Hospital
キーワード:
股離断
,
歩行エネルギー消費量
,
歩行分析
,
力学的モデル計算法
Keyword:
股離断
,
歩行エネルギー消費量
,
歩行分析
,
力学的モデル計算法
pp.165-170
発行日 2008年2月10日
Published Date 2008/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101181
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
要旨:きわめて活動的な股離断男性1名と健常男性3名に,酸素摂取量法と数学的モデル計算法を用いて歩行エネルギー消費量を測定した.酸素摂取量法の結果,股離断者では,全身エネルギー消費量は時速4km以上で健常者以上の値となる顕著な傾向があった.また股離断者には,時速5.5~6kmあたりに歩行速度の上限があった.モデル計算法からの知見として,①股離断者の片脚は,時速4kmを維持するために,健常者の片脚の1.8倍のエネルギーを消費していた.②股離断者の体幹エネルギー消費量は,低速度から健常者より大きく,歩行速度を上げるにしたがってさらに増大した.③股離断者の残存下肢各筋群では,股および膝伸筋群が大きな活動をしていた.これらの結果は,臨床経験と合致し,モデル計算法の妥当性を示していた.さらにモデル計算法以外では知ることが困難な股離断者の残存下肢筋群の活動の特徴を知ることができた.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.