Japanese
English
講座 歩行(5)
歩行の運動学
Kinematics of the Human Gait.
江原 義弘
1
Yoshihiro Ehara
1
1神奈川リハビリテーション研究研修所
1Kanagawa Rehabilitation Institute.
キーワード:
歩行分析
,
運動学
,
健常歩行
Keyword:
歩行分析
,
運動学
,
健常歩行
pp.383-388
発行日 1987年5月10日
Published Date 1987/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106517
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はじめに
歩行分析へのアプローチをいくつかに区分して,運動学(Kinematics)を運動力学と対比して用いた場合,運動学は狭義の運動学になり,物体の質量とかそれに加わる力などを考慮しないで物体の動きだけを幾何学的に分析する立場となる.ここではこのような狭義の運動学について述べることにしよう.
近代的な運動学的分析は1800年代の写真技術の開発によって始まると考えてよかろう.Marey(1882)は回転シャッターにより人間の歩行の先駆的研究を行い,BrauneとFischer1)は毎秒26回発光するガイスラー管を用い歩行の三次元的測定を行った(1895).やがて映画技術が利用できるようになると,歩行の分析に盛んに用いられるようになり,運動学的分析手法の基礎が確立されたといえる2).日本では円柱レンズにより輝点の動きを二次元に分解し各々の動きを時系列で印画させる飯野ら(1950)3)の独創的な研究がある.その後,主にデータ処理の省力化という観点から種々の装置が考案・実用されてきたので章をあらためて記すことにする.
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