Japanese
English
論説
リハビリテーションにおける歩行分析の役割と今後の課題
A View of Some Roles and Tasks of Gait Analysis in Rehabilitation Practice.
窪田 俊夫
1
Toshio Kubota
1
1中伊豆リハビリテーションセンター
1Nakaizu Rehabilitation Center.
キーワード:
歩行障害
,
歩行分析
Keyword:
歩行障害
,
歩行分析
pp.913-917
発行日 1982年10月10日
Published Date 1982/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104832
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まえがき
近年わが国のリハビリテーション(以下リハと略す)の領域で歩行分析の臨床応用が盛んに試みられるようになってきているが,改めてその理由を考えてみると次のようなことが指摘できると思う.一つには歩行障害の改善というニードの高い課題に対し,評価と治療との両面で歩行分析に大きな期待がかけられていることであり,このことを背景にして分析手法とデーターの処理手法との開発が主として工学側によって推進されてきたことを挙げたい.また他の臨床分野に比較し定量的分析手法が少ないリハの分野にあって,運動学,運動力学を基礎とし,計測器を用いて客観的なデーターが得られる歩行分析が魅力的な存在であることも否定できない.
しかし実際に歩行分析がリハの分野でどのように役立ってきたかについて,現在の段階で未だ多くを語ることができないのが実状であろう.このことは歩行分析がなお研究的な段階に留まっていることの外に,臨床応用に至る手順が明確に設定されていないことに一因があるように見受けられる.本稿ではこの手順を探るための緒口として,まず歩行障害の分類を提示し,この分類に基づいて歩行分析の役割を定め,さらに今後の課題について考察を加えてみたいと思う.
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