Japanese
English
特集 歩行障害Update
歩行分析による手術適応と効果判定―脳性麻痺児の歩行障害における臨床応用
Gait Analysis for Decision-Making and Evaluation in Cerebral Palsy.
則竹 耕治
1
Koji Noritake
1
1愛知県立心身障害児療育センター・第二青い鳥学園整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Aichi Prefectual Hospital and Habilitation Center for Disabled Children, Dai-ni Aoitori Gakuen
キーワード:
三次元歩行分析
,
脳性麻痺
,
歩行障害
Keyword:
三次元歩行分析
,
脳性麻痺
,
歩行障害
pp.1035-1039
発行日 1998年11月10日
Published Date 1998/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108797
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
1981年,Dr. Gageらがニューイントン小児病院に歩行分析研究所を開設して以来,脳性麻痺児の歩行障害の治療は新時代に入った.三次元歩行分析は,脳性麻痺児の歩行障害に対する科学的,客観的評価を可能にした.また,米国におけるDr. GageらのグループとDr. Sutherlandらのグループの脳性麻痺児の歩行分析の講習会などにより,その歩行障害の臨床(特に脳性麻痺児の歩行障害)における有用性は広く認められるようになった.今や,米国では脳性麻痺児の歩行障害に対する種々の治療の適応や効果判定において三次元歩行分析は有用な検査法となってきた.一方,わが国では,三次元歩行分析を臨床のルチーンの検査法として使用している施設はなく,主に教育,リサーチ目的に用いられている段階である.
そこで,本稿では,Gillette小児病院留学中の経験から,脳性麻痺児の歩行障害に対する三次元歩行分析の臨床的応用(主に手術適応と効果判定)について紹介する,Gillette小児病院は100年の歴史を持つ,主に障害児を対象とした病院で,脳性麻痺の種々の治療を積極的に行っている.1990年,Dr. GageがGillette小児病院に移ってからは三次元歩行分析においても,指導的な病院になっている.
なお,本稿では脳性麻痺児の歩行障害について述べるため,対象を歩行が可能な両麻痺,片麻痺児に限定する.歩行不能な四肢麻痺については,今回は述べない.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.