Japanese
English
短報
油圧機構を用いた短下肢装具
AFO with ankle joint controlled by liquid damper.
横山 修
1
,
佐鹿 博信
1
,
山本 澄子
2
Osamu Yokoyama
1
,
Hironobu Sashika
1
,
Sumiko Yamamoto
2
1横浜市立脳血管医療センターリハビリテーション科
2国際医療福祉大学大学院福祉援助工学分野
1Department or Rehabilitation, Yokohama Stroke and Brain Center
2Department of Assistive Technological Science, Graduate School International University of Health and Welfare
キーワード:
油圧継手
,
短下肢装具
,
背屈補助
,
片麻痺
,
歩行分析
Keyword:
油圧継手
,
短下肢装具
,
背屈補助
,
片麻痺
,
歩行分析
pp.363-368
発行日 2002年4月10日
Published Date 2002/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109742
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はじめに
片麻痺患者の短下肢装具の機能は,遊脚期の下垂足防止,立脚期足関節安定性の確保,立脚期膝関節のコントロールと言われている.歩行分析により,装具が果たす力学的機能は,立脚初期の踵接地から足底接地にかけて適切な背屈補助モーメントを生じることが重要であることが判明した.
そして背屈補助モーメントを生じるために,ばねを力源ユニットとして用いた背屈補助付短下肢装具(以下,DACS AFO)(図1)が開発された1,2).しかし,DACS AFOでは,必要な大きさの背屈補助モーメントの力源として,ばねの圧縮力を作用させるためには,ばねの圧縮力の作用線と足継手中心点との距離が大きいことが望ましく,力源ユニットを足継手の後方55mmに設定された.そのため力源ユニットが大きく後方に突出し,外観上の問題や,階段を下りる時に突出部がぶつかる問題が生じ,処方に結びつかないのが現実である2,3).
そこで,後方に突出した部分をなくすために,足継手部分に取り付けることが可能で,踵接地から足底接地にかけて適切な背屈補助モーメントを生じ,ばねの力源ユニットと同様の機能を発揮し得る,油圧機構を用いた短下肢装具LYAN AFO(Liquid damping supported by YAMAMOTO and NEDOの略)(図2)の開発を行っている.油圧機構はすでに義足の膝継手として実用化されているが,短下肢装具としてはまだ使用報告はなく,世界初の試作品が完成したため,速報としてここに報告する.
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