Japanese
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特集 大腿切断と義足の現状
大腿切断者の歩行運動学
Kinematics of Transfemoral Amputees Gait.
関川 伸哉
1
Shinya Sekikawa
1
1日本聴能言語福祉学院義肢装具学科
1Department of Prosthetics & Orthotics, Japan College of Rehabilitation and Welfare Professional
キーワード:
義足膝継手
,
歩行分析
Keyword:
義足膝継手
,
歩行分析
pp.17-22
発行日 1998年1月10日
Published Date 1998/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108566
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はじめに
本来,大腿切断者に最適な義足の提供を行う際には,切断者自身が持つ断端筋力をはじめとするポテンシャルや,日常生活のなかで切断者自身が義足に何を一番求めているかなどを総合的に判断する必要がある.しかし,本稿では,そのような臨床的な所見は割愛し,大腿切断者の歩行とその問題点を運動学の立場から概説し,最近の義肢の工夫(特に膝継手)が運動学上の問題点解決にどのように寄与しているかを論じていきたい.
下肢切断者にとって,義足は日々の生活のなかで欠かすことのできない身体の一部とも言え,日常生活をいかに快適に過ごすかは,義足の性能にゆだねられていると言っても過言ではない.特に大腿切断者にとって,膝関節の欠損の影響は大きく,義足膝継手(以下,膝継手と略)の機能が重要な要因の1つとなる,本来,膝継手に求められる機能は,健常者の膝関筋機能を補うものであり,立体保持の安定性,それに遊脚期における自然な振りを制御することにある.そこで,立脚期および遊脚期に大別し,健常歩行のデータを基準に,膝継手の違いが義足歩行にどのように関係してくるかを解説していきたい.また,最新の膝継手の特徴も合わせて考察していきたい.
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