Japanese
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特集 歩行分析の臨床
転倒の病態と歩行分析
Mechanisms of falls and gait analysis.
大高 洋平
1
Yohei Otaka
1
1慶友整形外科病院リハビリテーション科
1Keiyu Orthopedic Hospital
キーワード:
転倒予防
,
つまずき
,
歩行分析
Keyword:
転倒予防
,
つまずき
,
歩行分析
pp.117-123
発行日 2006年2月10日
Published Date 2006/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100243
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はじめに
転倒およびそれに伴う外傷,心理的影響,医療社会的負担は,高齢化社会において深刻な問題となっている.近年,転倒のリスク因子を適切に修正することで,転倒予防の効果があることが認められつつあり,社会的な需要に後押しされる形で急速な展開をみせている.しかしながら,転倒およびその予防に関する基礎的な知見は十分ではなく,転倒およびその回避メカニズムに基づいたアプローチは知られていない.その原因の一つとして,予防対象である転倒という事象そのものを直接分析することが困難であることが挙げられる.
現在,転倒予防の現場で行われている歩行分析は,転倒しやすい人をみつけだすために行う転倒リスク因子評価としての歩行分析であり,通常の歩行の観察を行い,正常からの逸脱をみつけることを行っている.しかし,それだけでは転倒という病態とその回避能力を分析することはできない.
そこで,本稿では,転倒様式のなかで最も多いとされるつまずきに着目し,つまずきという外乱が与えられた条件下での歩行分析,およびその知見について述べる.
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