Japanese
English
特集 大腿切断と義足の現状
最近の大腿義足のソケット
Trend of the Transfemoral Socket.
東江 由起夫
1
Yukio Agarie
1
1国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所補装具製作部
1Department of Prosthetics ond Orthotics Research Institute, National Rehabilitation Center for the Disabled
キーワード:
坐骨収納型ソケット
,
四辺形ソケット
,
ICEROSS
Keyword:
坐骨収納型ソケット
,
四辺形ソケット
,
ICEROSS
pp.23-30
発行日 1998年1月10日
Published Date 1998/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108567
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はじめに
1950年代に開発された吸着式四辺形ソケット1)(以下,四辺形ソケットと略)は,解剖学的,生体力学的に研究が進められた結果生まれた画期的なソケットである.現在でも大腿義足の標準的なソケットデザインとして製作されている.しかし,立脚相における側方への安定性に問題があり,義足異常歩行を誘発する原因となっている.その問題を解決するために考案されたのが,現在日本で主流となりつつある坐骨収納型ソケット(Ischial-Ramal-Containment Socket,以下,IRCソケットと略)である.
また,最近では,材料等の進歩によってシリコーン製のソフトインナーを使用したシリコーンサクションソケットが大腿義足でも注目を浴びている.本来は下腿義足の膝関節の動きと懸垂効果を高める目的で開発されたもので,大腿義足への応用では技術的に発展途上ではあるが,断端や義足の懸垂性などに問題がある症例に対し有効であることがわかってきている.
そこで本稿では,これまであまり紹介されていなかった坐骨収納型ソケットについて具体的に触れ,ついで最近,大腿義足ソケットにも使用されつつあるシリコーンサクションソケットについて紹介する.
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