Japanese
English
特集 中枢神経障害のリハビリテーション
主要疾患のリハビリテーション・プロセス
胸・腰髄損傷―急性期から自宅復帰まで
Thoracic-Lumbar Cord Injury; A Comprehensive Approach.
豊永 敏宏
1
,
井手 睦
1
,
古谷 笙子
1
,
廣滋 恵一
1
,
西田 征治
1
,
後藤 美代子
1
,
大塚 文
1
Toshihiro Toyonaga
1
,
Makoto Ide
1
,
Shoko Furuya
1
,
Keiichi Hiroshige
1
,
Seiji Nishida
1
,
Miyoko Goto
1
,
Aya Otsuka
1
1九州労災病院リハビリテーション診療科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kyushu Rosai Hospital
キーワード:
リハビリテーション医の役割
,
体位変換
,
歩行装具
,
社会再適応訓練・援助
,
障害受容
,
福祉の視点
Keyword:
リハビリテーション医の役割
,
体位変換
,
歩行装具
,
社会再適応訓練・援助
,
障害受容
,
福祉の視点
pp.979-996
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108490
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外傷性胸・腰髄損傷(以下,脊損)のリハビリテーションはリハビリテーション医学における障害のモデルともいわれ,スタッフ間での最ゴールの設定を共有しやすく,目標に近い結果を得ることができる.しかしながら,医療・社会情勢の変化に伴い,従来の画一的なADLだけでく,個々のQOLまで配慮したニーズが拡がり,当科においても鎮痛・鎮痙を目的とした硬膜外脊髄通電法やWalkaboutによる実用的歩行装具の試み,さらに入院中早期から屋外訓練や車いすスポーツ活動などの取り組みがなされてきた.
平成8年までの12年間に当科に入院した頸髄損傷を含む外傷性の脊損は290例で,このうち胸・腰髄損傷は113例であったが,最近の傾向として褥瘡(とくに坐骨部)の処置や尿路感染症での再入院が増加している.これは幅広い社会活動に基づくことにもよるだろうが,ニーズを充足する前に,ベースにある障害像の見極めとともに,二次的合併症の管理・指導の徹底が十分なされているかをもう一度見直す必要があろう.
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