Japanese
English
特集 脊髄ニューロモデュレーションの現状
疼痛に対する脊髄刺激療法—胸腰髄留置法
Thoracic and Lumbar Spinal Cord Stimulation for Chronic Pain
上利 崇
1,2
,
篠山 英道
1
,
重松 秀明
1
,
高尾 聡一郎
1
,
鈴木 健二
1
Takashi AGARI
1,2
,
Hidemichi SASAYAMA
1
,
Hideaki HISAMATSU
1
,
Soichiro TAKAO
1
,
Kenji SUZUKI
1
1倉敷平成病院倉敷ニューロモデュレーションセンター
2倉敷平成病院脳神経外科
1Center for Neuromodulation, Kurashiki Heisei Hospital
キーワード:
脊髄刺激
,
spinal cord stimulation
,
慢性疼痛
,
chronic pain
,
バースト刺激
,
burst stimulation
Keyword:
脊髄刺激
,
spinal cord stimulation
,
慢性疼痛
,
chronic pain
,
バースト刺激
,
burst stimulation
pp.27-33
発行日 2018年1月25日
Published Date 2018/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200776
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はじめに
脊髄刺激療法(spinal cord stimulation:SCS)は,難治性の慢性疼痛に対する治療として,脊椎硬膜外腔に電極を留置し,脊髄後索を中心に電気刺激を行い,疼痛の緩和を図る治療法である.本邦では1998年に保険収載となり,薬物治療,一般的外科治療で困難な難治性疼痛に対して適応となっている.近年,新世代型のSCS(超高頻度刺激,バースト刺激)が行われるようになっており,治療成績の向上が期待されている4).従来のSCSは刺激によって誘発される感覚(パレステジア)が疼痛領域をカバーし,疼痛の感覚に置き換わることで鎮痛効果を発揮したのに対して,新世代型SCSは,刺激誘発感なし(パレステジアフリー)で鎮痛効果が得られるようになっている5,10).そのため,電極留置方法についても治療戦略が従来のものと若干異なる可能性が出てきた.
本稿では前稿に引き続き,胸腰椎レベルでのSCSの適応と治療の流れを示し,実際の手術手技およびその注意点について新世代型SCSを使用する場合も含めて解説する.
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