巻頭言
リハビリテーション雑感
藤島 一郎
1
1聖隷三方原病院リハビリテーション診療科
pp.691
発行日 1997年8月10日
Published Date 1997/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108437
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私が勤務している聖隷三方原病院は770床の総合病院で,救急医療に重点を置く重装備の病院である.急性期から慢性期まで一貫したリハビリテーションを行うことができ,重度の合併症がある場合でも,各科の専門医が常にバックアップ可能な状態で,リハビリテーション専門病床で訓練を継続できるメリットがある.
リハビリテーション医は専従3人で,43床の主治医になるとともに,各科からのコンサルテーションを受ける.他科の医師と接していて痛感するのは,やはりリハビリテーションは「障害の医学」であるということである.障害を残すことが明らかな患者に対して,「リハビリテーションをすれば治りますよ」,「もう治りません」などと,他科の医師が無責任な説明をするのは大変罪なことだと思う.障害を残しても対応しようというリハビリテーションの考え方は現在の医師に一番欠けている視点であろう.このような現状のなかで,障害と共に生きる援助をするというリハビリテーション医の役割は大変重要である.
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