視座
リハビリテーション雑感
佐藤 孝三
1
1日本大学整形外科
pp.1061
発行日 1979年11月25日
Published Date 1979/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906013
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整形外科とリハビリテーションは切つても切れ縁い間柄にある.私は昨年から本年5月までの1年間第16回日本リハビリテーション医学会会長をつとめ,また最近はリハビリテーションに重点をおく日大付属稲取病院の院長となつているため,日本のリハビリテーションの進歩についていろいろと考えさせられることが多い.その中で最近とくに感じていることを2つだけ述べてみたい.
その第1はリハビリテーションの専門化である.かつては整形外科医がマッスールや看護婦を相手に,いわば片手間的に行つていたリハビリテーションが,いまは専門的知識と技術をもつ理学療法士や作業療法士をはじめとするパラメジカル・スタッフのチームワークに依存するようになり,そのチームのコンダクターとしての医師は,リハビリテーション医学の基礎と臨床に関する綜合的知識を充分に身につけていなければならなくなつてきた.リハビリテーション医学の進歩は必然的にリハビリテーション専門医の出現を要請するにいたつたのであり,それはかつて外科から整形外科が分離独立したときの状況によく似たところがある.
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