Japanese
English
特集 脳卒中の急性期治療
急性期リハビリテーションと廃用症候群
Rehabilitation of the Acute Stroke Patients and Disuse Syndrome.
上田 敏
1
,
大川 弥生
1
Satoshi Ueda
1
,
Yayoi Okawa
1
1帝京大学市原病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Teikyo University Ichihara Hospital
キーワード:
脳卒中
,
急性期リハビリテーション
,
廃用症候群
,
過用症候
Keyword:
脳卒中
,
急性期リハビリテーション
,
廃用症候群
,
過用症候
pp.1059-1065
発行日 1995年12月10日
Published Date 1995/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107997
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わが国における脳卒中急性期リハビリテーションの歩みと問題点
1.リハビリテーション草創期の状況
脳卒中のリハビリテーションは早期に(急性期から)始めるべきもので,早期に開始するほど成績が良い(はずだ)ということは,30年以上前のわが国のリハビリテーションの本格的導入期から誰しもが口にしていたことであった.当時の故砂原茂一氏の名言を引けば,数か月も寝かせておいて,それからリハビリテーションをやろうなどというのは「一度するめにしておいて,それから水にいれて烏賊に戻そうとするようなもの」であった.欧米のリハビリテーションを見てくれば誰しもそう言いたくなるのは当然であった.
しかし識者が何と言おうと,当時の日本の現実は,リハビリテーションのできる病院はほとんどが山間の遠隔地にある温泉地にしかなく,そういう病院に入る患者の大多数は急性期はおろか,発症後2~3か月あるいはそれ以上経っているのが普通であった.都市部の総合病院で早期からリハビリテーションを行っていたのはきわめて例外的に,九州労災病院(服部一郎氏),東京大学付属病院リハビリテーション部(上田)など,本当に数えるほどであり,それもすべてが急性期からであったわけではなかった.
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