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はじめに
脳卒中に対する急性期(早期)リハビリテーションの重要性は,この数年来,広く認識されてきた1,2).しかし,発病後の急性期は,総合病院や第一線の市中病院にて救命医療を受けており,十分なリハビリテーション・スタッフがそろっていないことが通常である.そこでは急性期(早期)のリハビリテーションは,医師と病棟看護婦が中心とならざるを得ないのが現状であり,そのために“急性期リハビリテーションにおいては看護婦の役割が大きく,ナーシングそのものと言ってもよい”3)といった極端な意見すら生じている.
本来,中枢神経系の障害に対する医学的リハビリテーションは,特に急性期(早期)であればあるほど,神経生理学,運動学,障害学を含めたリハビリテーション医学の全般にわたる深い知識と技術を駆使して実施される必要があり,リハビリテーション専門医・PT・OTなどのリハスタッフと主治医(内科・脳外科)・病棟看護婦といった病棟スタッフとの相互理解・協力を基盤としたチームアプローチが不可欠である.つまり,脳卒中の急性期は,救命医療(内科・脳外科治療),医学的リハビリテーション,看護が相互に関連しあう総合的な治療であることが必要である.
脳卒中急性期のリハビリテーションについて述べた報告は多い3,5).それらの内容は,主にbed sideでの他動的関節可動域訓練・体位交換・良肢位保持・早期坐位訓練に関するものである.横浜市立大学医学部病院においても,リハ科医師・PT・OTからなるリハ・チームにより,脳卒中急性期からbed sideで医学的リハビリテーションを実施している.そこで,リハビリテーション科の診療録をretrospectiveに分析し,脳卒中の急性期のリハ・プログラムと,急性期における運動障害の変化などについて検討した.
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