Japanese
English
特集 進行性疾患とリハビリテーション
筋萎縮性側索硬化症の在宅リハビリテーション
Home Care and Rehabilitation in Patients with Amyotrophic Lateral Sclerosis.
北 耕平
1
,
今井 尚志
2
Kohei Kita
1
,
Takashi Imai
2
1千葉大学医学部神経内科
2国立療養所千葉東病院神経内科
1Department of Neurology, Chiba University School of Medicine
2Department of Neurology, National Sanatorium Chiba-Higashi Hospital
キーワード:
筋萎縮性側索硬化症
,
在宅リハビリテーション
,
QOL
Keyword:
筋萎縮性側索硬化症
,
在宅リハビリテーション
,
QOL
pp.581-586
発行日 1995年7月10日
Published Date 1995/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107898
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
筋萎縮性側索硬化症の障害とQOL
筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis;ALS)は脊髄,脳幹の運動ニューロンの変性により,全身の筋肉が萎縮する原因不明の進行性疾患で,神経難病の中でも,最も障害が重篤で予後が不良な疾患の一つである.ALSでは通常,筋力低下と筋萎縮は一側の手から始まり,徐々に前腕,上腕へと上行するとともに,対側の上肢へも移行する.さらに下肢,顔面,舌,喉に拡がり,2~数年の経過で全身の運動麻痺の状態に陥る.最終的には呼吸筋も侵され,自力では呼吸ができなくなり死に直面する.
したがって,このような障害をもつALS患者のQuality of Life(QOL)に関して,2つの側面を考慮する必要がある1).第1は「生活の質」というべきものである.全身運動麻痺により人間生活にとって最も基本的かつ重要な意志表出機能(コミュニケーション機能)および摂食機能が失われる.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.