Japanese
English
特集 進行性疾患とリハビリテーション
進行性疾患の社会的リハビリテーション
Progressive Disease and Social Rehabilitation.
杉原 素子
1,2
Motoko Sugihara
1,2
1東京都心身障害者福祉センター
2国際医療福祉大学作業療法学科
1Tokyo Metropolitan Rehabilitation Center for Physically and Mentally Handicapped
キーワード:
進行性疾患
,
地域生活
,
一人暮し
,
就労形態
Keyword:
進行性疾患
,
地域生活
,
一人暮し
,
就労形態
pp.587-593
発行日 1995年7月10日
Published Date 1995/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107899
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
進行性疾患を含む難病に悩む患者およびそれをとりまく人々の要求に応えて,厚生省が,いわゆる難病対策を取り上げてから20数年が経過している.調査研究が進むにつれて,わが国におけるこれら難病患者の実態が次第に明らかになってきたが,的確な治療法がなかなか確立されないが故に,在宅患者が主体を占めている.これら難病患者の治療法解明への取り組みも必要ではあるが,彼らが現実に最も必要としているのは治療よりむしろケアであり,リハビリテーションなのである.
わが国において,ノーマライゼーションの理念は大部分の人たちは理解できているのであるが,現実の生活,例えば家での生活,学校での生活,街での生活,職場での生活となると,物理的・人的環境等においてまだまだぎごちないように思われる.進行する障害を持ちながら生活する人たちのリハビリテーションを考える時,本人の障害に対する捉え方が影響することはもちろんであるが,これら物理的・人的環境等の配慮の影響を大きく受けているのが現実であろう.
当センターは身体障害者更生相談所,精神薄弱者更生相談所,肢体不自由者更生施設(都単独事業としての宿泊室を併せもつ),そして,必要に応じて通所,出張サービスを行う総合リハビリテーションセンターである.ここに述べる当センターの進行性疾患・難病を持つ人への援助は,これらの総合機能およびそれを支える種々の職種の技術を活用して行ったものである.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.