一頁講座 神経学的検査
6.徒手筋力検査の注意点
三上 容司
1
1東京大学医学部整形外科
キーワード:
徒手筋力検査
,
trick motion(ごまかし運動)
Keyword:
徒手筋力検査
,
trick motion(ごまかし運動)
pp.523
発行日 1995年6月10日
Published Date 1995/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107884
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末梢神経障害の診断上,徒手筋力検査は必須であるが,筋肉の代償作用によるtrick motion(ごまかし運動)には注意を要する.日常診療でしばしば遭遇する例を挙げて注意点を述べる.
図は,オートバイ事故による左腋窩,肩甲上神経合併損傷患者の受傷後7か月のものである.受傷後3か月の初診時には,三角筋は触診および筋電図で随意収縮を認めず筋力[0]で,棘下筋は触診で収縮を認めないが,筋電図でわずかに随意収縮を認め,筋力[1]であった.上肢の挙上は不可能であった.
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