Sweet Spot 映画にみるリハビリテーション
超肥満者のリハビリテーションが隠れた主題の「ギルバート・グレイプ」
二木 立
1
1日本福祉大学社会福祉学部
pp.525
発行日 1995年6月10日
Published Date 1995/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107885
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「豊かな国,アメリカのタブーの中には太っていること(肥満)がある.」(三宅マリ著『L.A.フィール』近代文芸社,1995)肥満者差別は,人種,性,そして障害による差別を法的には克服したアメリカ社会の最後の「差別」とさえ言える.
この肥満者差別を正面から描いたのが,「ギルバート・グレイプ」(ラッセ・ハルンストレム監督)だ.この映画は,知的障害児の弟を支える純朴な青年の自己犠牲と愛を描いた「みずみずしい青春映画」と評されている.しかし,この映画のもう一つの主題は,超肥満者である彼の母親が受ける差別とリハビリテーション(全人間的復権)なのである.
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