Japanese
English
研究と報告
脳性麻痺児の機能障害と能力低下の関係
The Relationship between Impairment and Disability in Cerebral Palsied Children.
中嶋 和夫
1
,
佐藤 秀紀
1
,
岡田 節子
2
,
中原 留美子
3
Kazuo Nakajima
1
,
Hideki Sato
1
,
Setsuko Okada
2
,
Rumiko Nakahara
3
1北海道医療大学医療福祉臨床学講座
2東京都心身障害者福祉センター
3慶應義塾大学医学部附属病院リハビリテーション科
1Department of Clinical Social Work, Health Sciences University of Hokkaido
2Tokyo Metoropolitan Rehabilitation Center
3Department of Rehabilitation Medicine, Keio University Hospital
キーワード:
悩性麻痺児
,
機能障害
,
能力低下
Keyword:
悩性麻痺児
,
機能障害
,
能力低下
pp.403-408
発行日 1995年5月10日
Published Date 1995/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107858
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はじめに
1980年,WHOは障害者に共通するより普遍的なモデルを「機能障害Impairment―能力低下Disability―社会的不利Handicap」として提唱した1).それまでも障害に関してはいくつかのモデルが提案されていたが2),前記障害モデルは国際障害者年の行動計画のなかで正しい認識の必要性が強調されたこともあって,その後のわが国のリハビリテーション等の関連領域ではこの障害モデルを使用することが定着している.しかし従来の研究業績によれば,このWHOが提唱した障害モデルの妥当性について実証的に検討した報告は,Badley等3-7)ならびに東北大学における研究業績8)を除いてほとんど見当たらない.特に脳性麻痺等の発育早期に脳病変を被った児に着目した研究業績は乏しい.障害モデルの妥当性を検討することは,リハビリテーションにおける多様な介入とその効果判定にとって重要な資料を提供するものである.
本研究は,WHOが1980年に提唱した障害モデルの妥当性を,早期に脳性麻痺と診断された児を対象に実証的に検討することをねらいとして,彼らの機能障害(知能障害,筋緊張の異常,姿勢反射出現の阻害の程度)と能力低下(食事,排泄,着脱の基本的ADL)の関係について,特に生活年齢による関連度の違いを準縦断的な資料を用いて分析することを目的とした.
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