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特集 リハビリテーション・スタッフのトピックス
―今,リハビリテーション医学の分野では―障害評価手段開発の背景と現状
Backgrounds and Present Status of Developing Functional Evaluation Tools in Rehabilitation Medicine.
園田 茂
1
Shigeru Sonoda
1
1東京都リハビリテーション病院
1Tokyo, Metropolitan Rehabilitation Hospital
キーワード:
機能障害
,
能力低下
,
評価
Keyword:
機能障害
,
能力低下
,
評価
pp.279-285
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107832
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はじめに
リハビリテーション医学における評価は,臓器,器官別の考え方を縦糸に,機能障害,能力低下,社会的不利というWHOの障害分類1)を横糸に織りあげるものである.評価なくしてリハビリテーション計画は立ち得ない.その評価法は,時代を超えてその地位を保つ場合もあるが,より洗練された評価法にとって替わられる例も多い.
近年,FIM(Functional Independence Measure)2,3)やASIA(American Spinal Cord Injury Association)motor score4,5)などの評価法をよく見聞きする.これらはなぜ作られなければならなかったのだろうか.既存のBarthel Index6)や脊髄損傷高位では間に合わなかったのだろうか.
今回述べる評価法は,FIMおよびその拡張版のFAM(Functional Assessment Measure)7,8),SIAS(Stroke Impairment Assessment Set)9,10),ASIAの提唱する評価法,そして頭部外傷のデータベースシステム11)である.これら評価法の位置づけを図1に示す.図1からは機能障害は疾病固有の評価法を,能力低下は疾病に偏らない評価法を.というポリシーが見えてくる.社会的不利に関しては,脊髄損傷などに用いられるCHART(Craig Handicap Assessment and Reporting Technique)12)などがあるものの,評価内容自体があまり成熟していないため今回の総説からは省略する.
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