Japanese
English
研究と報告
精神発達遅滞者における障害モデルの妥当性
Validity of Impairment, Disability, and the ICIDH Model in Mentally Retarded Population.
佐藤 秀紀
1
,
中嶋 和夫
1
Hideki Sato
1
,
Kazuo Nakajima
1
1北海道医療大学看護福祉学部
1School of Nursing and Social Services, Health Sciences University of Hokkaido
キーワード:
精神発達遅滞
,
障害モデル
,
ICIDH
Keyword:
精神発達遅滞
,
障害モデル
,
ICIDH
pp.601-607
発行日 1995年7月10日
Published Date 1995/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107901
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はじめに
従来の国際疾病分類は「病因―病理―発現」というモデルに基づいていたが,世界保健機構(WHO)はこの系列をさらに拡大し,そのモデルの延長線上に「機能障害Impairment―能力低下Disability―社会的不利Hadicap」の障害モデルを設定した1).国際障害者年行動計画ともあいまって,この3つのレベルで障害をとらえる方向が深化され広く承認されている2).しかし従来の研究業績によれば,WHOが提唱した障害モデルの妥当性を実証的に検討した報告は,Badley等3-7)ならびに中村等8)の研究業績を除いてほとんど見当たらない.特に精神発達遅滞者については障害モデルの検討はいまだ不十分であり,このモデルの妥当性を検討することは,精神発達遅滞者の生活援助指針とその効果判定を得るうえで重要な資料を提供するものと言えよう.
以上の背景を踏まえ,本研究においては,WHOが1980年に提唱した障害モデルの妥当性を,軽度から最重度の精神薄弱者更生施設入所中の精神発達遅滞者を対象に実証的に検討することをねらいとして,彼らの機能障害(知能障害)と能力低下(日常生活関連動作)の関連性について検討することを目的とした.
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