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実践講座 コミュニケーション用機器とソフト
3.聴覚障害児者用コミュニケーション機器
Communication Aids for the Hearing Impaired and the Deaf.
磯村 恒
1
Tsuneshi Isomura
1
1職業能力開発大学校福祉工学科
1Department of Rehabilitation Engineering, Polytechnic University
キーワード:
聴覚障害児者
,
コミュニケーション機器
Keyword:
聴覚障害児者
,
コミュニケーション機器
pp.247-251
発行日 1995年3月10日
Published Date 1995/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107822
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はじめに
近年,障害者の社会参加が進み,その生活圏が広がると共に,健常者と同等の能力補償を求める場面が急速に増加している.一方,ME(マイクロエレクトロニクス)化技術および情報関連技術の進展により,設計,製造,販売等の各段階で,人間の身体機能の支援,代替,拡大が急速に進みつつある.このような状況の中で,これらの技術を,障害者が直面するさまざまな問題の解決のために活用することへの要求がますます高まっている.
聴覚障害によるコミュニケーション障害は,聴覚障害児者が学校,職場など日常生活の各場面で直面している最大の問題となっている.一般的には,聴覚障害児者は,聴こえあるいは発語の点を除けば,健聴者とあらゆる面で同じであると単純に考えられている.すなわち,聴覚聴害は,単なる情報伝達・取得器官障害と考えられ,この障害によって聴覚障害者が受けるコミュニケーションの制約の心理的負担および人間関係上での誤解の深刻さについては,未だ十分に理解されていないのが現状である.
ここでは,聴覚障害児者のコミュニケーションに関わる障害特性,付随してもたらされる種々の問題点などを概観し,次に,それらを解決するために開発,市販化されているコミュニケーション機器を取り上げ,その特徴を概説する.
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