Japanese
English
特集 重度障害者のリハビリテーション
医学的リハビリテーション
家庭復帰への援助
重度脳外傷と認知障害
Cognitive Disorders in Severe Traumatic Brain Injury.
万歳 登茂子
1
,
阿部 順子
1
,
長野 友理
1
Tomoko Manzai
1
,
Junko Abe
1
,
Yuri Nagano
1
1名古屋市総合リハビリテーションセンター
1Nagoya City Rehabilitation Center
キーワード:
脳外傷
,
認知障害
,
前頭葉症状
Keyword:
脳外傷
,
認知障害
,
前頭葉症状
pp.957-960
発行日 1994年11月10日
Published Date 1994/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107734
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はじめに
医療,特に脳外科の進歩により,救命される重度脳外傷が増加している.日本においては脳外傷の多くは交通事故による脳挫傷であり,前頭葉の損傷が多く,前頭葉症状といわれる自発性の低下などリハビリテーション施行上大きな障害となる症状も多い.また最近注目されている病理学的診断のびまん性軸索損傷diffuse axonal injury1)では注意力障害,記憶障害,行動の障害などの認知障害が多く認められる.これらの症状によりリハビリテーション・プログラムの遂行も困難で,ADLも自立できず,家族の身体的,精神的負担が大きくなり,家族の生活も変えざるをえなくなるケースも多い.本稿ではこれら重度の脳外傷の認知障害,特に前頭葉症状,記憶障害,行動の障害について述べるとともに,家族の対応の仕方も考えたい.
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